“勉強しているのに成績が伸びない”…その理由はスマホ?
「頑張って勉強しているのに、なぜか成績が伸びない…」
そんな悩みをお持ちのご家庭は少なくありません。
実は近年、スマートフォンの使用時間と成績との間に、明確な相関関係があることが分かってきています。
勉強時間が長くても、スマホの使用時間が多いと、脳の働きに悪影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
スマホと脳の処理能力──親子で考える、学びの質と習慣の見直し
スマホは便利で楽しい反面、使いすぎると脳はつねに情報処理に追われ続け、“メモリ不足”のような状態に陥ってしまうことがあります。
この状態では、
・集中できない
・物事を深く考えられない
・覚えたことが定着しにくい
といった影響が起こりやすく、どれだけ勉強しても“空回り”してしまうのです。
スマホの使用時間と成績はほぼ反比例する──実際のデータも
筑波大学などの調査によれば、スマホの使用時間が長い生徒ほど、学力テストの平均点が低くなる傾向があることが示されています。
とくに「平日にスマホを4時間以上使う」生徒は、「1時間未満」の生徒と比べて、平均点が大きく下がるというデータもあります(出典:マイナビキャリア教育ラボ)。
この傾向は、スマホの使用時間が長いほど、家庭での学習時間が短くなり、それにともなって成績も下がるという構造で、複数の自治体の学力調査でも共通して確認されています。
実際、ある標準学力調査に基づいて作成されたグラフでは、1日のスマホ使用時間・学習時間・数学の平均点の関係が明確に表れており、最も高い点数を取っていたのは、「1日2時間以上勉強し、スマホを1時間未満しか使わない生徒」でした。
反対に、「2時間以上勉強していても、スマホを4時間以上使っている生徒」は、学習時間が30分未満の生徒よりも平均点が低いという衝撃的な結果も示されています。
つまり、“どれだけ勉強したか”だけでなく、“どんな環境で勉強したか”が成績に大きく影響しているということです。
とはいえ、変化には時間がかかる──“慣性の法則”のように
車は急に止まれないという物理の“慣性の法則”と同じで、人間の習慣も、急には止まらないし、すぐには変わりません。
だからこそ、スマホの使い方も焦らず、少しずつ見直していくことが大切です。
無理にやめさせようとすれば、反発が生まれてしまうこともあるでしょう。
大人も一緒に見直すことがカギ
実は、スマホに依存しているのは子どもだけではありません。
大人自身も「気がつけばスマホを見ている」ことが多くなっていませんか?
だからこそ、「やめさせる」のではなく、「一緒に考える」「一緒に取り組む」ことが親子の信頼関係を育てる鍵になります。
たとえば──親子で始められる小さな工夫
・スクリーンタイムや使用時間のアプリで“見える化”する
・通知設定を見直し、必要のない通知はオフにする
・“スマホを置く時間”を一緒に決める(夕食中・勉強中・就寝前など)
・スマホの代わりになる習慣を用意する(読書、ストレッチ、会話、カードゲームなど)
・スマホに頼らない娯楽を増やす(アナログな趣味や「家族で○○デー」など)
スマホを敵視するのではなく、“正しく使う力”を親子で育てていくことが、これからの学びを支える土台になります。
今日からできる小さな一歩を、ぜひ親子で考えてみませんか?